体験談3〜退院後 拒食との戦い〜

なんとか退院できたときは、体重35kg、BMI15。顔のやつれはかなり良くなりましたが、まだガリガリであることには変わりありませんでしたし、持久走やマラソンは体育の授業でも禁止のままでした。でもなんとかみんなと同じように学校生活が送れるようになりました。

 

実は退院前はとにかく早く退院したい一心で、体重を増やさなければと思い、お菓子なども時々食べていました。しかし退院後はまた食へのこだわりが強くなり、食べられないものが増えたため、給食も1/3以下しか食べられませんでした。カロリー計算も自分でしていました。

 

また、なぜかはわかりませんが、運動しなければという強迫観念が強くなり、部屋の中で単語帳や教科書を読みながらその場走り(足踏みの走りバージョン)を毎日1〜2時間していました。食と運動に当てている以外の時間はとりつかれたように勉強していたので、成績は上位をキープできていました。

今思い返すと全ての行動が異常なレベルでしたが、そこまでやらないと自分の価値を見出せないと思うほど、自己認識が歪んでいました。体重、カロリー、テストの点数や順位など、数字でわかりやすく結果が出ることを極端にやらなければ、自信を保てなかったのだと思います。

 

こんなこともあり、退院して1年ちょっとでまた入院前の状態に戻ってしまいました。ちょうどその頃父親が急死したこともあり、体調面でもメンタル面でも休養が必要だろうと母親と担任・養護教諭の先生に言われ、2週間ほど自宅療養することになりました。これによって勉強・運動強迫が少し和らぎ、少し体調もマシになりました。

退院後の不調のピークはこの時でしたが、退院してから4年間ほどはずっと、なんとか日常生活が送れる程度の緩やかな拒食状態でした。

周りからは心配されるほどガリガリで不健康な状態でしたが、自分の中では体重をコントロールできており、勉強も運動もできている、という自信が心のどこかにあったんだと思います。

本当の苦しみはこの後からでした。

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